猫(ねこ)の飼い方-しつけや食事・病気を学ぶ

猫のなりやすい病気

もともと猫は、おしっこ系の病気になりやすい動物です。オシッコに関係した病気をまとめて、泌尿器疾患と呼びます。
これは、猫がもともと砂漠で進化したことと関係しています。
どういうことかというと、砂漠には水がほとんどないですよね。
だから砂漠に住む動物というのは、オシッコをできるだけ濃くします。
そして体から出ていく水分を少なくします。

砂漠で生き抜くためには必要なことですが、尿を濃くすることにはひとつ 問題があります。
それは尿が体にとって毒だということです。
だから、毒である尿を濃くすれば、当然その毒も濃くなって強まります。
これによって、腎臓や尿道、膀胱(ぼうこう)という、 オシッコに関係するところの病気になりやすいんです。
代表的な病気を2つあげておきます。
■1,慢性腎不全
症状は、よく水を飲む、食欲がなくなる、よく吐くなどです。
老廃物を体から出せなくなります。
一度、慢性腎不全になると、完治できません。
生きている間ず~っと、点滴や食事療法が必要となります。

■2,下部尿路疾患
症状は、頻繁にトイレに行くけど、ほとんどまたは全然オシッコが出ない、よく吐く、性器をしきりになめるなどです。
オシッコの通り道に結晶ができて詰まってしまいます。

さらに病気がすすむと、
・ぐったりする
・ひんぱんに吐く
などの症状がでてきます。
二日以上オシッコが一滴も出ないと命にかかわります。
早めに動物病院へ行ってください。



家猫の場合、肥満にもなりやすいです。
猫が肥満になってしまう原因のほとんどは、食べすぎです。
では、食べ過ぎる原因はというと、そのほとんんどが食事にあります。
猫が欲しがるからといって、栄養の偏ったものばかり与えるから、肥満になることが多いんです。

それと、猫というのは生後7~8ヶ月が一番の育ちざかりです。
だからこの時期を過ぎて大人になると、それだけ必要とするエネルギーは減ります。
このことを知らずに、「最近あんまり食べなくなったけどどうしたんだろう?」 と心配して、猫が好きなものばかり与える飼い主さんも多いようです。

年をとった猫は育ち盛りの猫とくらべて、必要なエネルギーが20%ぐらい減ります。
それに、ノラ猫のばあい、一週間食べるものがない、ということだってあります。
だから、あなたの飼ってる猫が1回や2回食事をぬいたって、ほとんどの場合、生死にかかわるようなことではないんです。

ただ肥満猫の場合、36時間の絶食が限界です。
それ以上何も食べないと、肝リピドーシスという病気になり、 命にかかわることがあります。
心配なときは、動物病院で診てもらったほうがいいでしょう。
知っておいてもらいたいことは、肥満は万病のもとだということです。

■1,糖尿病
症状は、よく食べるのに体重が減る、水をよく飲むなどです。
一度でも糖尿病になると、完治することはとても難しいです。

■2,心臓病
ぐったりとしている、呼吸が困難、食欲がないなどです。
心不全→腎疾患→高血圧症→心臓に負担→心不全悪化 という悪循環ができます。