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イヌ神伝説と動物霊の事件

イヌ神伝説
人間にとりつくと言われている動物霊には、キツネ・イヌ神・猫・タヌキ・蛇・猿などが挙げられるが、中でも代表的なものがキツネとイヌ神である。

イヌ神とは聞き慣れない言葉ではあるが、イヌの神という意味ではなく、和名で「ジネズミ」と呼ばれるネズミの一種のことである。身体の大きさは6cmから8cm程度で、日本と韓国の済州島(さいしゅうとう)だけに住んでいる、下等なほ乳類である。



イヌ神伝説は全国的に見て山陰地方や四国に多く存在し、イヌ神・・すなわちネズミの霊が、人間にとりつくことがある、と古来から言い伝えられている。

ある村ではイヌ神スジの家が何軒か存在し・・イヌ神スジとは、昔から「家系的にイヌ神持ちだ」、と言われている家のことで、ヌ神スジの家から奥さんをもらうと、その家もイヌ神スジになってしまうとか、イヌ神スジの家の者を怒らせるとイヌ神に祟(たた)られる、あるいは、イヌ神スジの家の前を通る時には、胸に針を刺しておかないと、とりつかれる・・などと言われている。


イヌ神に限らず、何かの動物霊にとりつかれた場合は、その人を殴ったり蹴ったり煙でいぶしたりすると動物霊が落ちると信じられている地方もあり、実際村人たちがそのような考え方をしていたために、悲劇に発展した事件も過去には存在する。

例えば1969年9月7日、秋田県由利郡で、自分のおばあさん(73歳)がキツネにとりつかれたと思いこみ、52歳の長男を始めとして家族や親戚がよってたかっておばあさんを殴り、蹴り、噛みついたりしてリンチ殺人のような形でおばあさんを殺害してしまった事件があった。(朝日新聞・1969年9月8日)

また、1970年12月8日、青森県津軽郡で、イタコのお告げを信じた47歳の母親が、18歳になる自分の息子に乗り移った悪霊を追い出そうとして、父親や妹などと一緒に息子に暴行を加え、そのまま子供を殺してしまった事件もあった。(毎日新聞・1970年12月9日)

これらは一例であるが、古来から多くの場合、動物霊を追い出そうとして、例え当事者を責め殺してしまったとしても、「ここまでやっても動物霊は落ちなかったか。」と、いう考え方の方が強く、罪悪感を感じていない場合も多くあるようである。