キモッ!!巨大ゲジゲジ ~ オオゲジ
~ 世界中で嫌われています~
東京以南であれば、ふつうに目にすることが出来る巨大生物で、同情したくなるほど徹底的に嫌われています。
さすがに大将格だけあり、非常に大きな体をしています。本体部分は5~6センチといったところですが、まるで昆虫のような体に見合わない長い足・触覚を含めると20センチを超える場合もあります。
ゴキブリと同等、もしくはそれ以上の俊足で、逆に敵に襲われるとトカゲの尻尾切り同様、足を自切して逃げます。
切れても足はしばらく動き、また音を立てるため、天敵の注意を惹くには十分です。
オオゲジは細長い体にたくさんの足があることからも分かるとおり、ムカデの仲間に属しますが、見た目は一般的なムカデと比べるとずいぶん異なる印象を受けるものです。
【~ 人間の味方であります ~ 】
彼らの嫌われぶりは尋常ではありません。その嫌われっぷりは、あのゴキブリさえも凌駕 (りょうが) しているのではないか、と推測されます。
虫 (昆虫以外の無脊椎動物含む) に良い虫・悪い虫なんてものは存在しませんが、害虫・益虫というヘンテコな言葉があります。
簡単に言うと人間にとって得するか損するかで区別 (差別) しているいい加減な分類用語です。
人間に利益をもたらすなら益虫、損害をもたらすなら害虫、ということです。
で、生物を害虫・益虫と分けて考えるのはどうかと思うのですが、そういった意味でどうしても区別したいというのであれば、オオゲジは完璧に益虫です。
みなに愛されるべき生物であります。
なにせ人類にとって、もっとも忌み嫌われている生物のひとつ、ゴキブリを追いまわし、捕まえ、そして食べてくれるのです。
その他にもシロアリや南京虫、別に害虫じゃないですがクモなど、ありとあらゆる室内にいるムシを、片っ端から捕らえ食べてくれます。
極端な話をすれば、各部屋に数匹ずつオオゲジを放し飼いにすれば、殺虫剤など使わずともゴキブリを含む「害虫」を駆除できるというわけです。
オオゲジはムカデの仲間ですから毒があります。通常はほとんどあり得ませんが、ムカデの毒による死亡事故もあるぐらいで、ムカデ類が人間にとって侮れない生物であることは確かです。
しかし、ゲジ・オオゲジはほとんど毒をもっておらず、そもそも人間に噛みつくこと自体レアなことで、そんな程度で害虫扱いされるのであれば、他の噛みつく能力のある昆虫などすべて害虫になってしまいます。
ではなぜかれらは害虫なのでしょうか?
そうなのです、見た目だったのです。見た目が不快な生物は「害虫」に分類してもOKの法則に従い、害虫に区分されているのです。
「見た目が不快」なんて、むちゃくちゃ抽象的な表現ですが、仕方がないのです。オオゲジはゲジの大将格であるとともに、見た目が不快な虫の大将でもある悲しき生物なのです。
不運にも家屋でゲジ・オオゲジを発見してしまった場合、ビニール袋かなんかに追い込み、外に逃がしてあげましょう。きっとその後に良いことが起こることでしょう。