生き物を守ろう!絶滅危惧種リストまとめ

シベリアジャコウジカ

シベリアジャコウジカは、オスがジャコウという分泌物(ぶんぴつぶつ)を出し、そのにおいでメスを引きつけるんだよ。
でも、このジャコウを人間にねらわれて、今では絶滅(ぜつめつ)のピンチなんだ。
草やコケ、木の葉や芽(め)を食べるんだ。

オスには牙(きば)のように見える長い犬歯があるよ。
吸血鬼(きゅうけつき)ドラキュラのような立派(りっぱ)な歯なんだ。

生き物を守ろう!絶滅危惧種リストまとめ

■メスを引きつけるためのジャコウが、人間も引きつけてしまった・・・
ロシアや中国、朝鮮(ちょうせん)半島などにすむシベリアジャコウジカ。
名前に“シカ”とあるけれど、実は別(べつ)の仲間(なかま)だ。
シカにはない特徴(とくちょう)のひとつが、オスがジャコウと呼(よ)ばれるワックスのような分泌物(ぶんぴつぶつ)を出すこと。
このジャコウのにおいで、メスを引きつけるのだ。
ところがジャコウに引きつけられるのは、シベリアジャコウジカのメスだけではない。
薬や香水(こうすい)にするために、人間もジャコウをねらうのだ。


■メスや子どもまで犠牲(ぎせい)になっている!
ジャコウは昔からおどろくほど高い値段(ねだん)で売買されてきた。
体内のジャコウをねらわれ、たくさんのオスが人間につかまり、シベリアジャコウジカの数は激減(げきげん)。
ジャコウの輸出入(ゆしゅつにゅう)が禁止(きんし)になった今でも、ルールを無視(むし)した取引はなくなっていない。
1990年から2001年の間におよそ25000頭もの大人のオスが密猟(みつりょう)されたという報告(ほうこく)があるけれど、見分けがつかずにメスや子どもも殺(ころ)されるため、実際(じっさい)にはもっと多くのシベリアジャコウジカが犠牲(ぎせい)になったと考えられている。